山梨百名山の達沢山を歩いてきました。遠くまで見渡せる景色もいい。でも、この日に強く残ったのは、木々のあいだに差し込む光と、登山道の途中で出会った大きな栗の木でした。
写真に収めたくなる景色は、山頂だけにあるわけじゃない。森の中をゆっくり歩きながら、そんなことを思った日の記録です。この記事では、当時の行動ログと歩いて感じたこと、これから向かう人が確認しておきたい情報を分けてまとめます。

達沢山はどんな山?|歩く前に知っておきたいこと
達沢山は山梨県笛吹市にある標高1,358mの山梨百名山。山梨県の案内では、立沢林道入口を起点としたコースのグレーディングは体力度2・技術的難易度Aです。ただし、これは対象ルートについての表示で、すべての入口や天候で同じ難易度という意味ではありません。
笛吹市側の観光案内でも、深い林と湿った足元、途中にある大きな栗の木が紹介されています。山頂の展望は天気に左右されるけれど、森そのものを歩く楽しさがある場所だと感じました。
公式情報:山梨県「山梨百名山ピッチマップ」/ふえふき観光ナビ「達沢山」
今回の登山データ|距離6.9km、行動約3時間40分
まず、これは今回の下書きに残っていた過去の山行記録です。現在のコース状況や標準タイムを示す数字ではありません。
- 歩行距離:約6.9km
- 累積標高:上り694m/下り693m
- 行動時間:約3時間40分(記録上の休憩38分を含む)
- 登山口を9:12に出発、山頂11:04、下山12:52
- 立ち寄り:登山道沿いの栗の大木
登りだけで約1時間50分。行動時間が長すぎるわけではないけれど、距離と標高差を見ると『ほとんど歩かずに行ける山』ではありません。写真を撮る時間も、足元を確かめる時間も含めて、無理のない計画が必要でした。

森へ入る。静かな道を一歩ずつ
歩き始めると、木立の中へ光が差し込んでいました。足元の踏み跡を確かめながら進むと、鳥の声や葉擦れがよく聞こえる。目立つ景色を探さなくても、森の中にいるだけで気持ちが落ち着いていきます。
ずっと平坦な道というわけではありません。尾根を巻くような区間や、落ち葉で踏み跡が分かりづらく感じる場所もありました。『この方向で合ってるかな』と思ったら、先へ急ぐより、いったん立ち止まって現在地を確認したい。
僕が歩いたときの道の印象は、その日のものです。雨のあとや落葉の時季では足元の状態が変わるし、道標の状況も変わり得ます。静かな山だからこそ、地図を用意して自分の位置を確認しながら歩くのがいいと思います。

登山道で出会った、栗の大木
今回、山頂と同じくらい印象に残ったのが大きな栗の木です。幹は太く、枝の形にも存在感があり、周囲の木とは違う時間が流れているように感じました。
最初は『なんだ、この木は』と足が止まる。写真を撮ろうとすると、画面の中に収まりきらない。見上げると、ひとつの木がそこに立ち続けてきた時間を想像してしまう。派手な景色ではないのに、しばらく離れがたい場所でした。
山梨県の山梨百名山ピッチマップには「御神木(クリの巨木)」の案内があり、笛吹市側の観光情報でも道中の大きな栗の木が紹介されています。樹齢や文化財指定などは今回確認できなかったので、ここでは断定しません。
近くで眺めるときも、木の根元や苔を踏み荒らさないように。撮影のために道を外れたり、木に登ったりはしないで、この場所のまま残ってほしいと思います。

木の幹に傷。動物の種類は分からない
登山中、白っぽい幹に、引っかいたように見える傷を見つけました。下書きには『鹿?熊?』とメモが残っていたけれど、写真だけでどの動物によるものか判断はできません。目撃したわけでもないので、熊がいたと断定することは避けます。
それでも、山に野生動物が暮らしている可能性を考えておくことは大事。山梨県は2026年9月18日更新の注意喚起で、秋の入山前にはクマの出没情報を確認するよう呼びかけています。熊鈴などで自分の存在を知らせること、食べ物のごみを残さないことも意識したいところです。
山頂で感じたこと。大展望だけがご褒美じゃない
山頂に着くと、森を歩いてきた時間が静かにひと区切りついたようでした。木々に囲まれた場所で、少し腰を落ち着ける。今日歩いた道を思い返してみると、真っ先に浮かぶのはあの栗の木です。
山梨県の公式観光情報では、条件が良ければ富士山や南アルプスなども望めると案内されています。ただ、この日の記録の主役は眺望ではなく、山頂までの森でした。毎回『遠くまで見えなきゃ損』と思わなくてもいいのかもしれません。
次に来るときは、空の色も森の匂いも違うはず。同じ山で違う時間を過ごすのも、山歩きの面白さです。

アクセス・駐車場・登山前の確認
ふえふき観光ナビでは、国道137号から達沢山林道へ入り、林道の突き当たりを登山口とするアクセスが案内されています。ただし今回歩いた際の正確な駐車地点・使用した登山道と、現在の林道の通行可否はこの原稿では照合できていません。過去の山行メモをそのまま最新の運転案内として使わないでください。
- 出発前に、笛吹市の林道情報と道路規制、山の最新情報を確認する
- 登山地図で利用する登山口・駐車可能な場所・下山ルートを決める
- 路肩や生活道路、林道の通行を妨げる駐車は避ける
- 天候、日没時刻、自分の歩行ペースに合わせて余裕を持つ
参考:笛吹市「登山・ハイキングコースガイド」。同市の「京戸山・達沢山コース」を確認できます。
装備と季節の注意
今回の記録では、濡れた落ち葉や道標の見落としが気になりました。登山用の靴、雨具、飲み物と行動食、ヘッドライト、地図を準備し、スマホの電池切れに備えてオフライン地図もあると安心です。寒い時季は日陰や路面の凍結も想定して、装備と入山判断を調整してください。
『初心者でも絶対に大丈夫』とは言い切れません。県の難易度表示はあくまで対象ルートの目安。初めてなら同行者と歩く、荒天なら引き返すといった選択肢も持っておきたいです。
おれとやま|次もまた、森の中へ
大きな木に出会ったこと。葉の音がよく聞こえたこと。登頂の数字だけでは残らない景色が、達沢山にはありました。
遠くの山がきれいに見える日も好きです。でも、今日みたいに目の前の一本の木に立ち止まる山歩きも、同じくらい好きだと思えました。森あげ屋さんでした。
ほかの山行記録は「おれとやま」一覧へ。霧の中で歩いた山なら、飯盛山・大盛山・平沢山の縦走記録もどうぞ。


コメント