ぶらぶらツーリングで出会った偶然の景色

散歩

夕方前、特に行き先も決めずにバイクを走らせた。風に任せて走ると、目的地がなくても道が自分を導いてくれるような気がする。そんな気ままなツーリングは、日常の小さな枠を抜け出す魔法みたいなものだ。

信号待ちの横で、ふと視線を落とすと一匹の蝶がいた。羽化したばかりなのだろう。ぎこちなく羽を広げ、まだ重たそうに地面にしがみついている。殻を破って新しい世界に出たばかりの姿に、不思議と勇気をもらう。自分もまた、この瞬間に立ち会えたことに小さな偶然の縁を感じた。

そのままバイクを走らせ、緩やかな坂道を登っていく。見慣れた街並みが少しずつ遠のいて、気づけば展望の開けた場所に辿り着いた。眼下には街全体が広がっている。こんな場所があったなんて知らなかった。予定も計画もなかったからこそ出会えた景色だ。

バイクを降りてしばらく空を眺める。少し厚みのある雲の隙間から、青空が顔を出していた。夕暮れにはまだ早い時間。空気は澄んでいて、深呼吸をすると胸の奥がすっと軽くなる。エンジンの振動から解放され、ただ鳥の声と風の音に耳を傾ける。その瞬間、街から少し離れただけなのに、まるで別の世界に来たような気持ちになった。

日常はいつも同じことの繰り返しだと思いがちだけど、少しハンドルを切ってみるだけで違う景色に出会える。蝶が羽を広げるように、自分も少しの勇気で新しい場所に立てるのかもしれない。何もない道をただ走るだけで、心はちゃんと満たされていく。

帰り道、バイクのエンジン音が心地よく響いた。目的地がなくてもいい。ただ「行ってみよう」と思った気持ちが、思いがけない景色や小さな出会いを連れてきてくれるのだ。そんな時間こそが、旅の本当の贅沢なのだと思う。

森あげ屋さんから一言

仕事はこういう時間を満喫するためのツール

仕事は人生を賭ける尊いもの

あなたにとって仕事はなんですか?

森あげ屋さんでした♪

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